灼くって激しい言葉のようですが、天を灼くほどの強い思いってなんなのでしょうか。あさのあつこの時代小説の『天を灼く』読了しました。
【感想】灼くとは?意味から考える
天を、焼くでもなく、妬くでもなく、灼くなのですね。
政ごとをただすのは、若い太陽のちからなのでしょうか。
ページを重ねるごとに、主人公伊吹藤士郎の父のイメージが変わっていきます。
父の野望と、
父が本当に恐れるものはなんだったのでしょうか。
藩の名前も、
天羽藩・・・。
藤士郎と左京を表現しているようです。
新たな名コンビが誕生した ”あさのあつこ” 小説です。藤士郎と左京がいればなんでもできてしまいそうなそんな気持ちにさせてくれます。
背景としてはとてつもなく暗いのですが、
例えば、「BOOK」データベースだと、
↓
止まぬ雨はない。明けぬ夜もない。少年は、ただ明日をめざす。父は切腹、所払いとなった天羽藩上士の子・伊吹藤士郎は、一面に藺草田が広がる僻村の大地を踏み締める―過酷な運命を背負った武士の子は、何を知り、いかなる生を選ぶのか?
「BOOK」データベースより
『天を灼く』あらすじ
父は切腹前に、嫡男(長男)の藤士郎を密かに呼び寄せます。
その時の空はなんとも不吉な様相を呈しています。
・空が赤く染まっています。
・一面に雲が垂れ込めています。
・黒雲も混ざっています。
だけど、
・豪雨が降っています。
なのに、
・雲の割れ目から光が照らし、
・力技で夕焼雲に変えています。
天が灼けています。
不気味な当たりの様子にでも、少年は、唇をかみしめながら先を急ぎます。
かみしめすぎて唇から血が出てきます。
灼くの意味
太陽の日差しが灼く意味があります。
読み方は「ヤク」です。
直射日光でやく様子です。
夏を表しています。
「海で皮膚が灼ける」
などと使いますが、
単漢字変換で出てきた言葉なので、常用漢字ではないのですね。
あさのあつこ時代小説『天を灼く』
主人公の藤士郎の人柄が、野心のないリーダータイプ。
一方、相方の左京は、裏方はなんでもござれの謙虚な影の人。そして剣の腕もぴか一。
そんな二人の活躍する物語です。
とてつもなく暗い話なのに、暗澹たる気持ちにならないのは、
彼の心に太陽があるからなんです。
太陽と月のような二人が出会い、思わぬ効果をもたらします。
藤士郎の推理がさえわたります。
一体だれを頼ればいいのか?
何も知らなかった少年は、策を巡らせます。
【感想】灼くとは?『天を灼く』あさのあつこ時代小説のまとめ
一人一人のキャラクターが魅力的すぎてこの一冊では終わってもらいたくない本です。
シリーズ化を期待したいところです。
生き延びることが勝ちですね。
命いっぱい逃げて逃げて逃げまくってもらいたいです。