堂場瞬一の『黒い紙』は、警察を父親の事件をきっかけにして辞めた主人公の物語です。みんなに心配されて拾われた先が、企業の危機管理専門の会社です。そこで彼は、30年前の事件に関連のある企業脅迫の担当になります。34歳、就職し始めて3か月の試練が始まります。
【感想】堂場瞬一の『黒い紙』
大きな事件に、大手商社。結構大掛かりな脅迫事件の担当に、新人が抜擢されます。
神奈川県警を辞めてから、人とコミュニケーションが上手く取れなくなり、
人と距離を置くようになっていたことろの大抜擢です。
「企業恐喝」
これに取り組みます。
体調管理もままならない主人公の長須恭介(ながすきょうすけ)の人生再生の物語です。
もがいて、もどかしく、そして、だんだん周りの人たちの気持ちに気が付いてくる。
みんなに助けられて、気にかけられてきたことにだんだん気づいていきます。
重い事件と並行して、着実に進んでいく主人公の人生の再起に、エールを送りながら読んでいたような気がします。
ワープロの親指シフトが気になります
事件は、30年前に作成された文章が鍵を握っています。
その文章は、パソコンではなく、
ワープロで作成されていました。
『親指シフト』のワープロです。
『親指シフト』とは、ワープロのキーボードの独特な配列のことです。
以前、一世を風靡した、ワープロの「親指シフト」って慣れると、とても快適に打てる様です。
「慣れると速い……らしいですよ」福島がキーボードから手を離し、顔を上げた。「要するに、効率の問題です。ローマ字入力だと、一文字入力するのに、キーを二回叩かないといけないでしょう?例えば『た』にするには『T』『A』と順番に打つ必要がある。拗音(ようおん)――小さい『よ』だと『X』『Y』『O』と三回打鍵しないといけない。でもこの親指シフトでは、『親指左』か『親指右』のキーを他の文字キーと一緒に打つことで、文字を出せる。一回の打鍵で済むわけです」
『黒い紙』堂場瞬一 著 P.81より
なんだか難しそうですが、慣れるとものすごく快適に打鍵できるようです。
それも、
しゃべっているように打鍵できる
という理想的な打鍵です。
良いですよね~~
マルチな才能をお持ちの勝間和代さんも、
親指シフトの良いところ。 1. ほとんど考えずに打てる 2. ローマ字、仮名にくらべて、打鍵数が少ない 3. 長く文章を打っていても、疲れない。 問題点。 1. 環境を選ぶ 2. 慣れるまで、大変 3.携帯とかiPhone、ポメラができない
勝間和代 Twitterより
と言っています。
ほどんど考えずに疲れ知らずに打てるなんて理想です。
作家さんなどに愛好者はいらっしゃるようです。
なので、需要のあるワープロという訳です。
「指がしゃべる」ことが体験できるのが『親指シフト』
素敵ですね^^
【感想】堂場瞬一の『黒い紙』親指シフトが気になりますのまとめ
テンポよく堂場瞬一さんの著書のページが進みます。警察関連の本はぴか一ですよね。これも警察がちょっと関連しているお話です。今回、一世を風靡した「親指シフト」のワープロで作成された文章が捜査の手掛かりとなっています。
「指がしゃべる」体験してみたいです。習得してみるしかないですね。
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