ルーキーから育ってきた刑事が今回ではお父さんに!!堂場瞬一の人気シリーズ最新刊の紹介です。『零れた明日 刑事の挑戦・一ノ瀬拓真』今どきの刑事が警察官としても人間としても成長をしていく物語です。
【感想】『零れた明日 刑事の挑戦・一ノ瀬拓真』
子供が生まれたってことで主人公の一ノ瀬拓真の世界が鮮明になったり、不安になったり、幸せに浸ったりと忙しいです。
父親のような失敗を繰り返すわけにはいかないって自分に言い聞かせます。
思わず早く起きてしまうし、
焦ってしまうし、
地に足が付いていないし、娘に力強く人差し指を握ってもらって、
妻の深雪に娘の名前を付けて♪とお願いされ。。。。。
なぜこんな感想ばかりなのかと言いますと事件がすっきりと解決しないからなんです。
ですが一気に読めるほど力のある作品です。
指導してくれる刑事さんたちがたくさん出てくる。
それは、彼がまだまだ未熟だから。詰めも甘いし。
そんな一ノ瀬拓真の活躍はドラマでも観てみたいです。
俳優は誰がピッタリとくるのかな?
捜査一課の一ノ瀬拓真は、移動してきたばかりの係長・大城に苦手意識を抱いている。隣の係が担当する事件の「尻ぬぐい」を一ノ瀬に命ずる大城。芸能事務所社員が殺害された事件で、聴取後に被疑者が逃亡したというのだが……。業界の闇、錯綜する思惑、捜査方針を巡る対立――。果たして、悲運な者たちの鎮魂はなるか?書き下ろし警察小説。
『零れた明日 刑事の挑戦・一之瀬拓真 』(中公文庫) 文庫 – 2018/4/20 表紙裏より
刑事の挑戦・一之瀬拓真
発刊の推移は、
- 1作目『ルーキー』(2014年3月 中公文庫)
- 2作目『見えざる貌』(2014年9月 中公文庫)
- 3作目『誘爆』(2015年5月 中公文庫)
- 4作目『特捜本部』(2016年6月 中公文庫)
- 5作目『奪還の日』(2017年4月 中公文庫)
今回の新作は
6作目『零れた明日』(2018年4月 中公文庫)
刑事の挑戦・一ノ瀬拓真シリーズ
今どきの青年らしく、やる気満々って訳ではなさそうな主人公です。趣味はロックギターだし、打たれ弱く”褒められて伸びるタイプ”なんですよね。
警察官になったのは「安定した公務員だから」!
ルーキーだった新人刑事は、いきなりの殺人事件に、まともには動けない状態でした。そこから、成長していく姿が丁寧に描かれています。ルーキーは1つの事件をコツコツ捜査して犯人突き止めるそんな見どころのある一之瀬拓真でした。
『ルーキー』『見えざる貌』『誘爆』『特捜本部』『奪還の日』ここから続く6シリーズ目です。
刑事2年目になると、千代田署で一之瀬拓真は、皇居マラソンランナーの連続通り魔事件で半蔵門署との合同操作に駆り出されます。
方向性のはっきりしている同期。
・自ら進んで福島へ応援派遣されている城田は目立たずとも地道に地道に人の為に働いています。
それとは対照的な
・若杉は、首都東京で活力を見出しています。常に体力勝負でドライです。
どちらの方向に一ノ瀬は進むのか?
3作目では、一之瀬拓真がだんだんと一人前の刑事になってゆく様がよく描かれています。巡査部長から警部補へと進むうちに出世欲が出てきた?!なんと教育係の藤島のわが子を谷底に突き落とすライオンのような親心。
4作目では、恋人の美雪との結婚も意識し始めます。本庁に異動して初めての捜査本部事件が起き、所轄の若手後輩の春山君とコンビを組まされ、先輩としての自覚がでてきます。
5作目では長年の恋人の深雪とも入籍します。人間としても一段と成長しますよね。なんの問題もない福島県警で捕まった犯人の護送だったはずが犯人を奪還される痛恨のミス!刑事ってミスは響くんですよね~~
「刑事鳴沢了シリーズ」の鳴沢了、「アナザーフェイス」の大友鉄も登場します。
【感想】『零れた明日 刑事の挑戦・一ノ瀬拓真』まとめ
読者に見守られているシリーズです。自分の育ってきた環境から温かい家庭を築くことに自信のない主人公の刑事の妻が妊娠します。
「しかし何だな……君もつくづく詰めが甘い男だな」Qが呆れたように言った。「事件は無事に解決して、今日は出産祝いの集まりなわけだ。本来は、散々持ち上げられていい気分で帰るはずなんだよ。それが説教を受けて、萎れて家路につく……私まで暗くなるじゃないか」
「すみません」思わず頭を下げた。
「まったくねえ――いつまで経ってもお坊ちゃんというか」藤島が同調した。「まだまだ鍛え方が足りないんでしょうね」
「しかし誰が鍛える?もう後輩を鍛える立場じゃないか」
『零れた明日 刑事の挑戦・一之瀬拓真 』(中公文庫) 文庫 – 2018/4/20 P.475より
これ、こんな言われようがまだまだ続くんです。頑張れ!一ノ瀬!
先輩刑事たちの指導を受けながら成長していきます。今後が楽しみな作品です。
シリーズ最新刊 紹介『零れた明日 刑事の挑戦・一之瀬拓真 』