『仮面病棟』の著者が贈る、『改貌屋 天才美容外科医・柊貴之の事件カルテ】 (幻冬舎文庫) 文庫 – 2015/5/13 の改訂版です。面白いです。
『リアルフェイス』知念 実希人 著の感想
知念 実希人さんは『崩れる脳を抱きしめて』で本屋大賞ノミネートなど今、乗りに乗っている作家さんですね。面白くて一気に読破してしまいました。
自分ならどうする?これでいいのか?っておもわず考えてしまいます。
それを天才美容外科医の柊 貴之が華麗に解決をしていきます。
まるで、
「私、失敗しないんで」
のドラマの美女のようですよね。
天才美容外科医の柊 貴之は人間の心の闇を捉えた部分を、華麗にクリアして解決可能な形にもっていきます。
美容外科って心が病んでしまうくらいの人が日本では受診されているのかもしれません。
何も悩ますに顔を変えられる人がいたらものすごく怖い人なんだと思います。
このままの自分を大好きにはなれないものなのか?????
疑問と納得がせめぎ合い、最後には、そうか~~と唸らせて頂きました。
『リアルフェイス』目次
『改貌屋 天才美容外科医 柊貴之の事件カルテ』が改題、改稿されています。
【目次】
- プロローグ
- 第一章 芸術を刻む外科医
- 幕間1
- 第二章 仁義なきオペ
- 幕間2
- 第三章 虚像の破壊
- 幕間3
- 第四章 二枚のペルソナ
- エピローグ
この目次のペルソナが気になったので調べてみました。
ペルソナ(英: persona)って、よく記事を作成するときに、ターゲット(記事を読んでくれる人を設定)を絞るときに使っていた言葉なのですが、ユングは”人間の外的側面をペルソナ”と呼んだのです。
それは、ペルソナとは自己の外的側面のことをいいますが、
詳しく言うとその人の表にみえるものなんです。
だから、周囲に適応してしまった結果、硬い仮面を被ってしまう場合もそうです。
それだから、『リアルフェイス』では、二枚のペルソナなんて表現したのですね。
逆に仮面を被らないことにより自身や周囲を苦しめる・・・そして、仮面を被るとその人だけが苦しむ。
怖いです。疲れます。
そして、そのペルソナとは対極にあるものが、その人の内側に存在します。
- 男性的内的側面をアニマ
- 女性的内的側面をアニムス
と言います。
- 男性の場合にはペルソナは男らしさで表現されます。しかし内的心象はこれとは対照的に女性的である場合があり、これがアニマです。
- 女性の場合ペルソナは女性的な側面で表現されます。しかし、その場合逆に内的心象は男性である場合があり、これがアニムスです。
ペルソナは夢の中では人格化されず、一般に衣装などの自分の外的側面で表されることが多い。
ウィキペディアより
夢の中では、仮面とか衣装・洋服がペルソナなんでしょうね。自分ではなく物で表現さえるのですね。
美容整形で顔を変えるのはいけないことなのか?
新しく入ってきた新しい麻酔科の先生は美容性整形に批判的です。親からもらった大切な体にメスを入れるなんて。。。。。って感じです。
これはピアスで耳に穴を開けるだけでも同じように考える人はいます。
みんなそれぞれに自分の正義をもっているので、それは仕方がないこととも言えます。
この本の中では、形成外科学は第一次世界大戦で顔面に負傷をした戦士が心に傷を負ったことから始まったといっています。
負傷⇒心の傷⇒人生の傷
そんな兵士たちを少しでも元の状態に近づけようとしたといいます。
倫理的にとか、価値観ってひとぞれぞれで単にこれだ!ってものがないだけに難しいですね。
「ただね、現実問題として美容外科を必要としている人々はいる。怪我をしたわけじゃないが、自分の容姿に深く悩む人々だ。彼らは大きな怪我をしたわけじゃないが、自分の容姿に深く悩む人々だ。彼らは大きな怪我をした者と同じくらい、いや、場合によってはそれ以上にコンプレックスを感じ、苦しんでいる。もちろんファッションや化粧で彼らのコンプレックスが消え去ればいい。けれど、それらの方法でも苦しみが消えない人々は、最後の手段として自らの体にメスを入れるんだ」
『リアルファイス』知念実希人 著 P.41より
この本の裏表紙に「顔を変えるのは罪ですか?」と書かれていたのですが、罪ではないですよね。
誰でもどこかしら、いじってみたい部分はあるのではないかと・・・・・・。
ですが、失敗したり、後で後悔することがない事を祈るのみですね。
【感想】知念 実希人の『リアルフェイス』のまとめ
知念 実希人さんの作品は面白いです。そして主人公のセリフが一見軽めな感じです。それじゃ~モテないのではないのかな?って心配をしてしまいますが、そこがまた嫌味ではなくて登場人物のキャラが光る所なのだと思います。今、お勧めの一冊です。
リアルフェイスの動画は無かったのですかこちらもチェックしてみてください。
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