【感想】深緑 野分『ベルリンは晴れているか』

生活の知恵

この小説の時代背景は、アドルフ・ヒトラーが自殺をしてから2ヶ月が経過したベルリンです。占領してきたアメリカに絶望をしている17歳の女性の物語です。始めは歴史小説だと思っていました。ですが読み切ってみたらミステリ―だった!

直木賞候補にもなった話題の小説を紹介します。

 

 

 

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【感想】深緑 野分『ベルリンは晴れているか』

 

かなり話題性のある本を紹介します。

  • 第160回直木賞受賞
  • 2019年本屋大賞ノミネート
  • 第21回大藪春彦賞候補
  • 第9回Twitter文学賞第1位(国内編)

 

それだけではおさまらない歴史ミステリ―です。

 

英語版の『エーミールと探偵たち』の本に支えられて生きてきた、疲れ切った17歳のドイツの女の子のお話です。

アドルフ・ヒトラーが自殺をしてから2ヶ月経過しています。街には瓦礫がゴロゴロし、日常生活のなかで、小さな子供が死んだまま置き去りにされています。

主人公の女の子の名前は、アウグステ。プレハブのアメリカ兵の兵員食堂で働いています。彼女は英語が話せたのでここで働けたのです。

戦争が終わり、今では少しは優遇をされているアウグステですが、戦時中はお父さんが党員ではなかったために不遇な毎日を送っていました。

ドイツ人の全てがナチやヒトラーを崇拝していたわけではなかったから、アウグステの両親がそうだったから、もちろんアウグステも。

戦時下に密告によって彼女は家族を失ってしまいまいした。

 

ここに登場するドイツ人達は、実際の年齢よりも全員が老けています。40代50代でも、毛髪は白髪になり、肌は乾ききって深いしわが刻まれています。

 

アウグステも17歳とは思えないほど老けています。

 

その彼女がたどる軌跡をどうか一緒に見守ってください。

 

最初は歴史小説だと思っていました。ですが、この本って実はミステリーなんです。

重苦しい読了はありえません。

 

 

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『ベルリンは晴れているか』参考文献

 

第二次世界大戦当時の時代背景や、ユダヤ人達に当時ベルリンに住んでいたドイツ人達はどう接していたのか。

戦争中、敗戦後のドイツ人がどんな日常を送っていたのか。それらが丁寧に描かれています。

そんなこの本を読むと参考文献を読んでみたくなってきます。

 

 

主要参考文献

 

『ベルリンは晴れているか』の参考文献の中から日本で出版されている本を紹介します。

どれも目を通してみたい本ばかりです。なんとヒトラーの著書もあった。。。。。

 

『戦時下のベルリン 空襲と窮乏の生活一九三九―四五』ロジャー・ムーアハウス著/高木進訳/白水社

『ナチス・ドイツ ある近代の社会史 ナチ支配下の「ふつうの人びと」の日常』デートレフ・ポイカート著/木村靖二・山本秀幸訳/三元社

『ヨーロッパ・ユダヤ人の絶滅』(上・下)ラウル・ヒルバーグ著/望田幸雄・原田一美・井上茂子訳/柏書房

『ベルリン陥落一九四五』アントニー・ビーヴァ―著/川上洸訳/白水社

『ベルリン終戦日記 ある女性の記録』(著者匿名)/山本浩司訳/白水社

『わが闘争』(上・下)アドルフ・ヒトラー著/平野一郎・将積茂訳/角川文庫

『ウーファ物語 ある映画コンチェルンの歴史』クラウス・クライマイアー著/平田達治・他訳/鳥影社

『ドイツを焼いた戦略爆撃 一九四〇―一九四五』イェルク・フリードリヒ著/香月恵里訳/みすず書房

『ナチスの戦争 一九一八―一九四九』リチャード・ベッセル著/大山晶訳/中公新書

『暗闇の中で マーリオン・ザームエルの短い生涯 一九三一―一九四三』ゲッツ・アリー著/鷲巣由美子訳/三修社

『ナチズムに囚われた子どもたち 人種主義が踏みにじった欧州と家族』(上・下)リン・H・ニコラス著/若林美佐知訳/白水社

い『ヒトラーランド ナチの台頭を目撃した人々』アンドリュー・ナゴルスキ著/北村京子訳/作品社

『ゲッペルスと私 ナチ宣伝相秘書の独白』ブルンヒルデ・ポムゼル、トーレ・D・ハンゼン著/石田勇治監修 森内薫・赤坂桃子訳/紀伊國屋書店

『兵士というもの ドイツ兵捕虜盗聴記録に見る戦争の心理』ゼンケ・ナイツェル、ハラルト・ヴェルツァー著/小野寺拓也訳/みすず書房

『ヒトラーとナチ・ドイツ』石田勇治著/講談社現代新書

『ヒトラー演説 熱狂の真実』高田博行著/中公新書

『ホロコースト ナチスによるユダヤ人大量殺戮の全貌』芝健介著/中公新書

『ベルリン・歴史の旅』平田達治著/大阪大学出版会

「私たちを助けてくれたベルリンっ子たち ユダヤ人を救った人々(10)」平山令二/『人文研紀要86号』中央大学人文科学研究所

『図説 都市と建築の近代 プレ・モダニズムの都市改造』永松栄著/学芸出版社

『戦後ドイツのユダヤ人』武井彩佳著/白水社

『愛と欲望のナチズム』田野大輔著/講談社選書メチエ

『イワンの戦争 一九三九―四五』キャサリン・メリデール著/松島芳彦訳/白水社

『戦争は女の顔をしていない』スヴェトラーナ・アレクシエヴィチ著/三浦みどり訳/群像社

『ヒトラーの最期 ソ連軍女性通訳の回想』エレーナ・ルジェフスカヤ著/松本幸重訳/白水社

『消えた将校たち カチンの森虐殺事件』J・K・ザヴォドニー著/中野五郎・朝倉和子訳/みすず書房

『KGBの内幕 レーニンからゴルバチョフまでの対外工作の歴史』(上・下)クリストファー・アンドルー、オレク・ゴルジェフスキー著/福島正光訳/文藝春秋

 

あなたならどの著書から目を通りますか?

 

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【感想】深緑 野分『ベルリンは晴れているか』のまとめ

 

アウグステの恩人が歯磨き粉に含まれた毒により殺害されます。米国の兵員食堂で働くアウグステはある日突然警察官?に連行されてしまいます。監視下にある彼女は、彼の甥に訃報を伝えるべく旅立つのですが。旅の相方も出来て荒れ果てた世界を突き進みます。

理不尽なことばかりの世の中で彼女がたどり着いた境地を一緒に味わってみませんか?

 

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