主人公の小学生、小柳奈ノ花(こやなぎ なのか)は、かしこい女の子です。
「しーあわーせーはー、あーるーいてこーないー」
「ナーナー」
「だーからあーるいーていーくんだねー」
”ナーナー” と合図地をうってくれるのは、小さな友達の生意気な彼女です。
この子猫ちゃんが、素敵な大人の女のひと・・・”アバズレ”さんに出会わせてくれます。
彼女は、奈ノ花の歌とミルクが大好きです。
住野よるさんの作品『また、同じ夢を見ていた』
『君の膵臓をたべたい』・・・この本は、本屋さん大賞やベストセラーになった本です。
膵臓の病気で余命の少ない女の子と男の子の「名前のない僕」と「日常のない彼女」が紡ぐ、終わりから始まる愛の物語でした。
次の作品がこの『また、同じ夢をみていた』です。
住野よるさんの世界を再び堪能することができました。
この少女に人生と幸せを導いてあげるために、素敵な出会いがあります。
「ごめんね」
ってすごい言葉なのですね。
「ありがとう」
に負けない言葉だってこの本を読んで思ったことです。
名前ってすごい『また、同じ夢を見ていた』より
奈ノ花の名前を、当ててしまった女の人が三人います。名前って凄いです。
奈ノ花の友達は、英語を話す人から怖がられてしまう名前です。
そう、私の息子も桐生くんと同じように
ちょっとアメリカではヘビーな名前なんです。
雄大
ユー、ダイ
です。
息子は交換留学を終えてアメリカから帰って来た時に、なんでこの名前にしたの?と私に聞きました。
アメリカの友人は、息子を助けるために、わざわざ漢字の由来を調べてくれました。
”英雄” という意味があるんだね。と言ってくれたそうです。
中国語では「英雄」という意味です。英語では、まるで『北斗の拳』の名セリフが現在形になったような発音になってしまいます。
日本語では
[名・形動]規模が大きく堂々としていること。また、そのさま。「―な景観」「―な計画」
という意味です。
桐生くんもちょっと似たような感じの名前です。
その桐生くんは、絵を書く人だったので、名前とは正反対の「生きる」という意味の「LIVE ME」というサインを絵に記しています。文法は間違っているのだけど、「わたしを生かして」です。
生意気な猫ちゃんの名前は「マーチ」
では、他の登場人物の名前は何でしょうか?
『また、同じ夢を見ていた』より自分のことが好きですか?
自分を好きではない女の子と女の人が出てきますが、奈ノ花は彼女達が大好きです。その二人は自分のことが好きではありませんが、奈ノ花には憧れの人です。そのようになれるように目指していきます。
どんなに嫌な人になってしまった・・・と自分では思っていても、そんな自分のことを好きで憧れてくれる小さな女の子がいるって素晴らしいことだと思います。さて、私はそんな大人(小さい子に好きだと思ってもらえるような)になれているのでしょうか。
『また、同じ夢を見ていた』より奈ノ花の好きなフィナンシェ
フィナンシェは、焦がしバターで作る、アーモンドプードルをたっぷりと使った卵黄を使わすに卵白を沢山使った四角い焼き菓子です。
奈ノ花は、友達のおばあちゃんが作るこのフィナンシェが大好きです。
だからおばあちゃんのように作れるようになろうとします。
不思議な友達たちの影響を受けて素敵な大人になります。
もともと素敵な少女だったのですが、心が折れて諦めてしまったことが二つほどありました。同じ夢を見続けていた二人のアドバイスと約束で、少女にはしっかりとした道が開かれていきます。
『また、同じ夢を見ていた』よりみんな今、幸せ
”アバズレ” さんは、奈ノ花に聞きます。
おばあちゃんは幸せなのか?と
「いや、おばあちゃんは、今、幸せなのかなと思って」
私はおばあちゃんと前にしたお話を思い出しました。
「ええ、幸せだって言ってたわ」
答えると、アバズレさんは本当に嬉しそうに笑って「よかった」といいました。
誰もが自分を導いてくれる存在に出逢えると良いですね。
住野 よる の新刊「また、同じ夢を見ていた」のまとめ
もしも、読んでみておかしいと感じたらもう一度読んでみてください。
幸せを探しているとてもかしこい女の子が出会う素敵な友達。
途中ではっと気づくことがでてきます。最後まで読んでみてください。とても幸せな気持ちで心が満たされます。
誰かが、何かが、優しくヒントを与えてくれる人生、それに気が付いてもらいたいです。他人を愛する寛容さ、そして自分を好きになることの大切さ。
多くの人と共有したい物語です。
『また、同じ夢を見ていた』の動画も紹介しています。
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