はじめに:卒業式の袴は「人生の節目を飾る装い」
卒業式の袴(はかま)は、一生に一度の晴れ舞台を彩る特別な装いです。
この記事では、和装着付け歴10年以上の筆者が、大学・専門学校の卒業式での袴の着付け方、
そして先生が選ぶべき着物のマナーやコーディネートを詳しく解説します。
成人式よりも簡単に着られる理由や、立場に合わせた色・柄選びのポイントも紹介します。
「自分で着付けたい」「レンタルを考えている」方にも役立つ内容です。
卒業式袴の着付け方・成人女性編
成人式の振袖を袴に合わせて再利用する方も多いですが、
「違う雰囲気を楽しみたい」とレンタルする方も増えています。
古典柄やレトロモダンな袴は写真映えがよく、会場でも上品な印象に。
袴着付けの基本手順
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体形補正:フェイスタオルをウエストまわりに巻き、ラインを整えます。
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長襦袢(ながじゅばん)を着る:襟芯を入れ、半衿が左右均等になるように。
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着物を着る:裾の長さを合わせ、腰ひもで固定。
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帯(半幅帯)を結ぶ:リボン結びまたは文庫結びが定番。
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袴を着付ける:前ひも・後ひもを交差させ、背中心をまっすぐに整えます。
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仕上げ:鏡で全体のバランスを確認。ブーツの場合は袴丈をやや短めに。
💡ポイント:レンタルを使う場合は、「中振袖」を選ぶとバランスが良くなります。
卒業式袴の着付け方・動画
袴の着付けは、最初に体形補正を行い、長襦袢→着物→帯→袴の順で進めます。
下記のような動画を参考にすると流れがつかみやすいでしょう。
📹おすすめ:「袴の着付け」など、手順解説付き動画を活用しましょう。
動画では、襟の合わせ方や腰ひもの締め具合など、
文字では伝わりにくいポイントが視覚的に理解できます。
振袖で袴を着付ける方法・動画
袴を自分で着付ける方法・動画
半幅帯は着物の袋帯よりも手軽!
だから袴は自分でも簡単に着付けることができるんです★
裾などおはしょりの部分など隠れてしまうから
気にせず着付けられます。
ブーツをはく場合は少し袴を短めに着付けます。
大学・専門大学の袴選び
大学生におすすめの袴
大学の卒業式では、成人式で着た中振袖+袴の組み合わせが定番です。
中振袖は未婚女性の第一礼装で、華やかで品格のある印象を与えます。
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華やかで写真映えする柄を選びたい方:赤や桜柄の古典デザイン
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落ち着いた雰囲気にしたい方:グレー・紺・深緑などの無地袴
専門学校生に人気のスタイル
専門学校では、自由度が高くレトロモダンやアンティーク調の袴が人気。
市松模様・矢羽根柄・からし色など、トレンド感のあるデザインもおすすめです。
足元は草履でもブーツでもOKですが、ブーツの場合は袴丈を短めに調整しましょう。
専門大学の卒業式でも袴をはかれる生徒さんは多いですよね
今はレトロな雰囲気のものに人気があります。
レトロなイメージのものはこちら
先生・教職員の着物マナーと袴選び
卒業式で袴を着る先生は、生徒が主役であることを意識して控えめにまとめるのがマナーです。
選び方の基本
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着物:色無地または二尺袖を選ぶ
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色味:淡いグレー・藤色・深緑・紺など落ち着いたトーン
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袴:無地または地模様程度の控えめなデザイン
⚠️白袴は避けましょう。
白は神事・弔事で使われる「白装束」の名残があり、式典ではふさわしくないとされています。
先生が袴をはくイメージはこちら
色無地や主役の生徒さんよりも目立たないような色合いですね!
時代劇などではとてもシリアスな場面で使われる白袴。
白装束なイメージで敬遠されていた白い袴も
最近は人気があるようです。
ですが、タブー視されていたので先生は着付けない方が良いです。
先生がはかない方がいい袴はこれ!
立ち居振る舞いのコツ
座る・歩く・写真を撮る場面が多いため、動きやすく、裾が乱れにくい着付けが大切。
式典中は「落ち着いた佇まい」を意識すると好印象です。
🪞袴の着付けに必要な和装小物チェックリスト
袴を美しく着こなすには、小物の準備が欠かせません。
レンタルの場合は一式そろっていることもありますが、自前で準備する方は以下を参考にしてください。
| 小物名 | 役割 | 選び方のポイント |
|---|---|---|
| 補正用タオル(3枚) | 体の凹凸を整える | 柔らかく吸水性の高いものを使用 |
| 和装ブラジャー | 胸元をすっきり見せる | 通気性重視・ワイヤーなし |
| 腰ひも(5本) | 着物を固定 | 長めを用意すると安定しやすい |
| 伊達締め(2本) | 襟元を押さえる | ゴム製が初心者向け |
| 半幅帯 | 袴を結ぶ帯 | 柄物は華やか、無地は上品 |
| 長襦袢・半衿・衿芯 | 下着類 | 清潔感重視・事前アイロン推奨 |
| 足袋または靴下 | 足元の装い | ブーツの場合は靴下でOK |
| 草履またはブーツ | 足元を整える | 袴丈とのバランスで選ぶ |
| 巾着 | 小物入れ | 着物の色に合わせると統一 |
補正用タオル3枚
和装ブラジャー
肌着(はだぎ)
クリップ 3個
腰ひも 5本
コーリンベルト
長襦袢(ながじゅばん)
半衿(はんえり)
衿芯(えりしん)
重ね衿(かさねえり)伊達衿(だてえり)
伊達締め(だてじめ)
袴下帯・半幅帯
帯板
足袋・ブーツの場合は靴下
草履または編み上げブーツ
巾着
🎓 卒業式袴の着付けに関するQ&A(FAQセクション)
Q1. 袴の着付けは自分でできますか?
A. はい、可能です。袴は「半幅帯」を使用するため、成人式の振袖着付けよりも比較的簡単です。
ただし、初めての場合は前日に練習するか、動画を見ながら着付けるのがおすすめです。
不安な方は、当日朝に美容室や着付けサービスを予約しておくと安心です。
Q2. 振袖に袴を合わせても大丈夫ですか?
A. 問題ありません。成人式で着た振袖に袴を合わせるスタイルは、大学や専門学校の卒業式でも一般的です。
ただし、袖の長さ(中振袖)と袴丈のバランスに注意し、裾が引きずらないように調整しましょう。
Q3. 袴を着るときに必要な小物は何がありますか?
A. 以下の和装小物が必要です。
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補正用タオル3枚
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腰ひも5本
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コーリンベルト
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伊達締め
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半幅帯(袴下帯)
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長襦袢・衿芯
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草履またはブーツ
レンタルの場合はセットに含まれていることもありますが、足袋や肌着は自分で用意しましょう。
Q4. 先生が袴を着る場合、どんな色を選べばいいですか?
A. 教職員は主役ではないため、控えめで落ち着いた色味(グレー・紺・深緑・紫など)がおすすめです。
白袴は神事や弔事で使用されることが多く、卒業式では避けるのがマナーです。
Q5. 袴の下にブーツを履いても大丈夫?
A. はい、ブーツスタイルも人気です。
歩きやすく防寒にも優れています。
ただし、ブーツを履く場合は袴丈を少し短めに着付け、裾が地面に触れないようにしましょう。
Q6. 袴の着付け時間はどのくらいかかりますか?
A. 自分で着る場合は30〜40分ほど、プロに依頼すると20分前後です。
帯や補正に慣れていない方は、当日慌てないように前日に一度リハーサルを行うとスムーズです。
Q7. 袴レンタルを選ぶときの注意点は?
A. サイズ(身長・裄丈)を正確に測ることが大切です。
また、写真映えを意識するなら明るい屋外で映える色味を選びましょう。
先生の場合は、生徒よりも控えめなトーンを意識してください。
卒業式袴の着付け方は?大学・専門大学・先生の着物の選び方のまとめ
卒業式の袴は、立場や個性に合わせて選ぶことで、
より美しく印象的に仕上がります。
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大学生・専門学生: 中振袖やレトロ柄の袴で華やかに。
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先生・教職員: 色無地や控えめなトーンで上品に。
白袴は人気があるものの、式典では避けた方が安心です。
卒業式までに必要な小物や着付け手順をチェックして、
当日は笑顔で臨みましょう。






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