一人のアスリートが国家に管理、育成されることに疑問を感じながら自分の未来を選んでいく物語です。東京オリンピックを控えたこの時期にマッチした読書感想文におススメの本です。
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読書感動文におススメ!『独走』堂場瞬一 著
子供は、知らないうちに洗脳されている場合があります。洗脳と大げさでなくても、母親の一言にものすごい影響を受けることもあります。
そんな子供たちがしっかりと自分のことを見据える。
自分が何かの決断を迫られたときに、
あーそういえば、昔こんな本を読んだなー
なんて思い出してくれたらいいな。と思っています。
どんなにすばらしい記録をだしてもグジグジと悩んでしまう、高校生ランナー・仲島雄平を、
元・柔道金メダリストの沢居弘人がサポートします。
それが、沢居弘人が、柔道で金メダルを獲得して、すぐに引退した彼の初仕事です。
スポーツ省という組織が国家にあるという設定の話です。
柔道金メダリストの沢居弘人は、小学生の頃から、
スポーツ省の特別強化指定選手(ステートアマ・通称SA)で、管理され強くなっていきました。
ですが、
天才アスリートの、高校生ランナー・仲島雄平は高校生から、
スポーツ省の特別強化指定選手(ステートアマ・通称SA)との契約を交わします。
小学生の時からその環境に馴染んでいる、柔道金メダリストの沢居弘人は、
何も疑問に持たずにその世界で没頭し、金メダルと獲得したことで成功を治めます。
ですが、
高校生になっている、高校生ランナー・仲島雄平は、管理されている環境に息苦しさを感じます。
金メダルのため? 日の丸のため? 俺はなぜ走るのか――。
国家に管理・育成されるアスリートの苦悩を圧倒的な筆致で描く!Amazon内容紹介より
【感想】『独走』堂場瞬一 著
自分で未来を選択する、そのことは、とても素晴らしいと思います。
ですが、そのためにはリスクがあることも知っておかないといけません。
選んだことには、後悔はなくても、
この本の中で、
ペナルティーを負ってまでして、
出場してはいけないと言われていた箱根駅伝に出場し、
そのために足が故障してしまい、SAを解除されたしまったコーチが自分の話を語ります。
その後、
土下座までして、職員にしてもらいました。
自分はその道しか生きられないと悟ったからです。
世の中は甘くはないのです。
一案ですが、
若いうちは、色々と最新の陸上の技術などの勉強になるので、管理の恩恵を受けて、
人生、長いのだから、
その後、楽しく走るのでは駄目なのかな?
なんて思ってしまいました。
メンタルが弱い弱いと言われている、ランナー・仲島雄平は、
メンタル・・・弱くは無いと思います。
厳しい決断を自分にくだしたのだから。
親の期待も、日本中の期待も全部裏切られるだけの根性を持ち合わせているひとは、
なかなかいないと思います。
その後の彼の活躍が是非に読みたい一冊です。
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【感想】読書感動文におススメ!『独走』のまとめ
そのアスリートを世間から守るために、友達まで支給してしまう・・・。そんな毒親みたいなスポーツ省です。
もしかして、今まで何の疑問を持っていなかった沢居弘人までも、自分の結婚まで支給されたものではないのか?と怖い想像をしてしまっています。
誰も、今の状況に疑問を持ってみることも大事なことだと思います。そして、これら状況を利用してやるというくらいのしたたかさを持ってもらいたいものだと、なんとなく感じました。