軽度認知症は早期から適切な予防を行うと進行が遅らせることができたのに!!
と残念に思ってしまった本を紹介します。
川村元気の『百花』は年を取ってきた母と息子の物語です。
親子の距離があやうい物語でした。
親孝行とは?と考えさせられるお話でした。
最後に「軽度認知症」についてもお知らせします。
【感想】川村元気の『百花』
母と子ってなんてこんなに面倒くさいものなんだろう。
お互いを求めて、試して、そして時には捨ててしまう。
大事な親子の思い出さえも。
美しい母は、ぼんやりと外を眺めています。
静かなピアノの調べと美しい映像が浮かんできました。
読み初めて少ししたら、あれって違和感を感じページを最初から遡ってしまいました。
わたしもボケが入ってしまったのでしょうか?やっていることが百合子さんと同じです。
こんな親子関係もいいなって読了後に感じました。
親孝行は今からでも間に合いますよね。
【あいみょん コメント】
“記憶”というものは決して自分1人のものではなく、時には誰かと自分自身を繋ぐレールになっていると思った。
食い違うこともあれば脱線もする。
記憶はあくまでも瞬間の記録で、なんだか夢みたい。
悲しい記憶も嬉しい記憶も、ああ全部夢だったんじゃないかと感じる日がある。
一度失ったからこそ、二度と失いたくない息子への想い。一度失ったからこそ、二度と忘れられない母への想い。夢のような記録。あの日を繋ぐ記憶。
葛西百合子。
1月1日生まれ。
息子の名前は泉。
甘い卵焼きとハヤシライスが好き。
レコード会社で働いている。
ヘルパーの二階堂さんは十時に来る。
食パンを買わない。
美久ちゃんのレッスンはもうない。
泉の奥さんは香織さん。
お花を切らさない。
トイレは寝室の横。
晩御飯はもう食べた。
泉に迷惑をかけない。
ちゃんと一人で生きる。
ベビー服をプレゼントする。
電球と単三電池とハミガキ粉を買う。
どうしてこうなってしまったんだろう。
泉、ごめんなさい。
『百花』川村元気 著 P.174より
美しかったお母さんも年月とともに老いてしまいます。
つい自分のことに置き換えてしまいます。
今、喧嘩をしたばかりの娘。
夜遅くに帰ってきたばかり息子は私がこのようになってしまったらどう思うのだろうか?とふと考えてしまいます。
- 小さくなっていく姿
- 心配そうな顔
もうやめてくれ。
でも読むのをやめられない自分がいました。
そして最大の感想は、
読まれたくない日記は処分しよう
母の日記を息子が読むシーンがあるのですが、
人生の終わりには、
「自分の日記は書き残してはいけないな」
あいみょん、山田洋二監督、吉永小百合さん、作者の川村元気さんがコメントを発表しています。
https://natalie.mu/music/news/331176
川村元気さんからみた認知症
Amazonのレビューを読むと分かるのですが、共感を得られないというものがあります。
哀しみと損失などが織り交ぜられているのですが、どこか美しく他人事のように感じられます。
「詳しく検査をしてみないと分からないのですが、おそらくアルツハイマー型だと思われます。他にもレビー小体型、脳血管性などいくつかタイプがあるのですが、認知症全体の半分以上が、アルツハイマー型です。
『百花』川村元気 著 P.97より
アルツハイマーと診断されたら、うちではアリセプトかレミエールという薬を処方します。効果があれば、進行を遅らせることができますが、それも数カ月から五年が限界と言われています。脳の細胞が少しずつ死んでいくのですが、それが起こる仕組みがまだわかっていないんです。たんぱく質が発症と関係しているとは言われているのですが」
『百花』川村元気 著 P.98より
文中ではさらりと説明しています。
認知症について詳しく知るのならMCIスクリーニング検査
軽度認知症障害っていくつか種類があります。
日本ではその大半をしめる「アルツハイまー型認知症」ですが、
MCI(軽度認知症障害)は、正常な物忘れと認知症の間にあるグレーゾーンなんです。
『百花』の文中でも主人公が後悔をしていましたが、この段階で放置をしてしまうと、過半数の人が認知症に移行をしてしまいます。
だから、MCIのリスクを知ることはとても大事なことになります。
検査を受けて、早期から適切な予防を行うことで認知症への移行を食い止めていきましょう。
検査費用は、病院によって変わってきますが、2万円前後といったところです。
【MCIスクリーニング検査】
この検査では、この アミロイドベータペプチド を排除する機能をもった3つのタンパク質の血中の濃度を調べます。
そこから アミロイドベータペプチド の「防御力」を計算し、間接的に軽度認知症障害のリスクを評価していきます。
【感想】川村元気の『百花』認知症の母と子の物語のまとめ
フィクションだからか、認知症の母を持つ息子にまだゆとりを感じます。
せっぱ詰まった心の叫びや絶望感、無気力、怒りなどあまり感じられません。
好き勝手をしてしまった百合子ですが、このように最後を息子に見守ってもらえたのだからとても幸せだったのだと思います。
みんな、自分が忘れてしまっている、親との素敵な思い出が少しでも蘇りますように。
MCIスクリーニング検査で早期に認知症のリスクを知ることが、後悔を産まないための最初の一歩なのかもしれないです。
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