待ちに待っていた宮部みゆきの杉村三郎シリーズの新刊が発売されました。
2018年11 月30日ファン待望の新刊です。
今回は『昨日がなければ明日もない』を紹介します。
なぜだか身勝手な女性ばかりが出てきます。身勝手な解釈が鼻につきます。
主人公の探偵・杉村三郎さんから目を離せない読者が多いのではないでしょうか。
『ペテロの葬列』(ぺてろのそうれつ)の時に、何で離婚したのか?というか、なんで奥様は浮気をしたのか?
続編をみんなが気にしている作品を紹介します。
【新刊】宮部みゆきの杉村三郎シリーズ
11月30日に、杉村三郎シリーズの最新刊『昨日がなければ明日もない』が発売されました。
『オール讀物 2018年11 月号』の 雑誌で発表されていましたが、宮部みゆき作品の待ちに待った最新刊ですね!
今回初台された初版本には「杉村三郎シリーズガイド」が付いていました。今後は娘の桃子との関わり合いが増えそうな感じです
次回作が楽しみになる、”著者インタビュー シリーズの愉しみ方” でした。
\こちらから要チェック!/
『昨日がなければ明日もない』読んで♪
杉村三郎氏は、どうにか元気で暮らしています。。。。。
宮部みゆきの杉村三郎シリーズとは?
杉村三郎シリーズの最新刊『昨日がなければ明日もない』
このシリーズは5作目となります。
第一作目は、『誰か』宮部みゆき著
杉村三郎が愛したのは、財界の要人である今多コンツェルン会長の今多嘉親の娘でした。
いわゆる逆玉です。
その今多嘉親氏は、菜穂子と結婚する条件として、自らが率いるコンツェルンの広報室に勤めることを命じます。
杉村三郎さん、実家の母・・・かなりの毒舌の母にも会社の同僚にも逆玉なので杉村三郎の心証は悪いです。
『誰か』では、その義父の運転手だった梶田信夫の事件を杉村三郎が追います。
テレビドラマ化もされた物語です。
宮部作品では強烈な「引き」を持つ謎が冒頭に呈示されることが多い。不思議なことに、その謎は成長するのだ。これは話が逆でしょう。通常のミステリーの場合、謎は解明されるにしたがって小さくなっていくものである。どんな魅力を誇っていた謎も、要素に分解され、構造を分析されれば謎とは呼べないものに変わる。最後に残るのは、きわめて即物的な個人の事情です。しかし宮部作品は違う。いつまで経っても謎の魅力が褪せないのである。なぜならば、物語が進行するにつれて、謎に未知の側面があることがわかり、ますますその神秘性が深まっていくからだ。
AmazonHPより
そうなのですね。だから杉村三郎の離婚も謎が深まっていってしまったのですよね。
杉村三郎シリーズ第一弾
2作目は『名もなき毒』宮部みゆき 著
こちらの作品は吉川英治文学賞受賞作です。
質の悪い女が出てくる作品が宮部みゆきさんは得意なのですよね。
こちらもテレビドラマ化がされました。
今多コンツェルン広報室に雇われたアルバイトの原田いずみ・・・とてもやばい女性でした。
質がかなり悪いです。
解雇されたことを根に持って杉村をつけ狙う原田いずみは、悪意に心をのっとられた存在だ。その行動は危険であるのに幼稚極まりない。彼女は真の大人になる契機を摑むことができずに成人してしまった偽の大人であり、人の世にありながら他者の痛みを感じることができなくなった歪な精神の持ち主なのだ。
思い起こせば、そうした者たちが仮面をつけたままこの社会で普通に生活しているということを、早い段階から不安視していたのが宮部みゆきという作家だった。(杉江松恋「解説」より)AmazonHPより
歪な精神を持っている大人になる機会を失ってしまった女性にさか恨みされることって、怖いなって思いました。
そういえば、私の所にも。。。。。
あなたの周りにも、普通にそんな人が生活をしているのかもしれません。
杉村三郎シリーズ第二弾『名もなき毒』
第三作目は、『ペテロの葬列』宮部みゆき著
ここまでが杉村三郎が、今多コンツェルン広報室で働いていました。
三郎のここからの人生が悲しいです。
人生の転機とはこのような形で現れるものなんだな・・・必ず読み返してみようと思った巻です。
杉村三郎シリーズ第四弾『希望荘』
その部屋には、絶望が住んでいた――。
愛娘となかなか会えない・・・杉村三郎氏はそれは絶望しますよね。
妻の不倫が原因なのになんで彼がこんなに苦しい思いをしなくてはならないのか。
義父が経営する今多コンツェルンの仕事を辞めた彼は、探偵事務所を開業します。
誰かに振り回され続けた杉村三郎の転機となる作品です。
結婚生活で得たものを全部自分の武器に出来るようになれば良いのにね。
だけど、人徳なのか?
人に振り回されるけど、人に助けられる。
最新作で読んだ最後の言葉
「あなたもしっかり頑張りなさい、探偵」
『昨日がなければ明日もない』より
じわじわとくる杉村三郎シリーズなんです。
宮部みゆきの杉村三郎シリーズ『昨日がなければ明日もない』まとめ
このシリーズのキャッチコピーが、宮部みゆきさん自らが考えた「事件は小さいけれど、悩みは深い」小説です。
のんびりとした人のいい私立探偵が主人公の物語です。
ハードボイルドでもないし、灰色の脳細胞も持っていません。
常に走っている訳でもなく、切れ者でなければ、イケメンで女性にモテるわけでもありません。
ですが、お年寄りから子供にまで好かれています。
そして、みんなからずけずけ物をいわれます。
みんなの愛すべき探偵が、そんな杉村三郎が悲しみを乗り越えて少し調子に乗ってきたところのお話です。
杉本三郎・・・扱えるのは小さな家庭の事件だけ。
ですが、事実は小説より奇なりというように、家庭の事件は決して侮れません。
今後の活躍、そして新刊発売が楽しみです。
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