【読了】花だより みをつくし料理帖 特別巻

生活

みをつくし料理帖がとうとう完結をしてしまいました。この最後の特別編。かなり完成度の高いものでした。是非に一緒に感動を味わってもらいたいです。

 

【読了】花だより みをつくし料理帖 特別巻

 

今までで一番感慨深い巻となりました。辛かった日常にやっと平穏が訪れます。

良かったねと安心感のある完結編です。

澪達にはまだまだ困難はあるでしょう。ですが、暖かい思いやりの心が読み手にまでやすらぎを伝えます。

 

花だより みをつくし料理帖 特別巻―愛しの浅利佃煮

 

「花だより」――――愛しの浅利佃煮・・・種市が主人公です。

種市は、蕎麦屋「つる家」の店主で74歳です。

亡くなった自分の娘と澪を重ね合わせて見守ってきました。娘のつるの墓参り後に、荒れ果てていたお稲荷様の掃除を熱心にしているを料理の勉強をさせるために自分の「つる屋」に招きました。

口ぐせは、「こいつぁいけねえ、いけねぇよぅ」

澪が作る料理を味見をした種市いうセリフです。

 

花だより みをつくし料理帖 特別巻 涼風あり―その名は岡太夫

 

「涼風あり」―――――その名は岡太夫・・・数馬の妻が主人公です。

 

数馬は、

「つる家」の常連客の浪人で、卯年生まれの30歳。澪のことを「下がり眉」と呼んでいました。
江戸の味に慣れていない澪の料理を、面白がったり、基本がなっていないと助言したりして、澪の信頼と愛情を得てきました。

名言は「あれこれと考え出せば、道は枝分かれする一方だ。良いか、道はひとつっきり」

家族の応援の元、澪との縁談が進みますが、彼女の料理人の道を閉ざさないため澪を手放します。
彼のその後はどうなったのかな?と気になっていたのですが、結婚したのですね。数馬と妻の乙緒に共感が持てます。素敵な夫婦です。

 

花だより みをつくし料理帖 特別巻「秋燕」ー明日の唐汁

 

「秋燕」――――明日の唐汁・・・野江が主人公です。

野江あさひ太夫という名前の花魁でした。かなりの美貌美声「吉原一」の花魁と評されていたのでした。

元は、大坂で唐高麗の渡来品を商っていた「淡路屋」の末娘で、澪と同い年の幼なじみです。易者水原東西に、「旭日昇天(きょくじつしょうてん)」という天下取りの強運の相の持ち主であると言われたことが度々でてきます。見受けは、澪がしました。そして野江は「淡路屋」を復活させたのです。

 

花だより みをつくし料理帖 特別巻 月の舟を漕ぐ―病しらず

 

「月の舟を漕ぐ」―――――病しらず・・・澪が主人公です。

ここではではなく夫の永田 源斉(ながた げんさい)を紹介します。

永田 源斉は、

御典医に推薦されますが、「身分にかかわりなく、病に苦しむ人を救いたい」との思いから辞退をしてしまいます。そして、恋心を募らせていた澪と結婚をします。その為に家族と縁を切られますが、澪は義母とは手紙のやりとりはしています。澪と一緒に医塾創設のために大坂に来ました

 

 

 

みおつくしの料理 特別編の味噌

 

一番最後に、巻末付録 澪の料理帖の「病しらずの江戸味噌」のレシピを載せておきます!

 

澪の夫の医師は、「ころり」で自分の患者がみんな死んでしまったことから、過労で倒れた後も心までもが弱ってしまい食事が摂れません。

澪が、あの手この手を使ってもようやく少し食べれる程度です。

お互いに食事の大切さが分っているからこそ、

相手のことを申し訳なく思う気持ちが、

お互いに罪悪感を持ち続けるという悪循環に苛まれていきます。

 

夫は、食を受け付けず、澪の渾身の料理が食べれないという罪悪感

妻は、料理人なのに、病身の夫が食べられるものが作れないという罪悪感

 

を抱えます。

 

結局はは、義母に助けを求めます

手紙を書くのですが、夫のことには触れずに、

「ころりの病気が去った大坂の様子と、源斉の子どもの頃の好物を訊ねる

手紙を書きます。

その返事が、

「家で仕込んだ味噌を好んだ」

「米麴をたっぷりともちいた味噌」

「子どもの頃は、病中・病後・食の細い時でも味噌汁だけは欠かさない」

「味噌づくりの詳細な作り方とコツを丁寧にしたためたもの」

でした。

母親の愛ですね。

その味噌を一生懸命に作る妻の姿に夫の食欲が戻っていきます

 

食べるって本当に大事なことなのだなって感じます。

今の時代でも江戸時代からのお菜はあります。

例えば、「きんぴらごぼう」「煮まめ」「ほうれん草ひたし」などが食べられてきたようです。

自然なもの、添加物の入っていないものが食には必要です。

この時代には難しいことですが、人工的に作られたものはやはりなるべく食べないほうが良いですね。

 

この間、メンタリストDaiGoさんが人工甘味料は腸内環境を悪くすると動画で語っていたので紹介します。

 

 

【読了】花だより みをつくし料理帖 特別巻のまとめ

 

目の手術をされるそうですが、高田 郁先生、手術の成功をお祈りしています。

どうぞお大事になさってください。

素敵な作品をありがとうございました。

 

 

病しらずの江戸味噌

 

材料(出来上がり約1㎏)

大豆(乾燥)……200g 白湯……240㏄

米麴(乾燥)……400g 天然塩……50g

下ごしらえ

※大豆は丁寧に洗って(結構、泡が出ます)4倍程度のたっぷりの水に浸けて12時間以上、給水させておきます。一粒割ってみて、中まで吸水しているのを確かめてください。

※吸水の済んだ大豆を笊に上げ、1時間ほど、しっかり水切りします。

 

作り方

 

  1. 蒸し器を用意して、蒸気が上がったら、大豆を笊ごと蒸し器にいれ、空焚きに注意しつつ、およそ4時間、蒸します。一粒とって、親指と小指で挟んで軽く潰せたなら蒸し上がりです。
  2. 蒸し上がったら、そのまま半日~一日(ただし夏場は4時間)置きます。
  3. 麴を戻しておきます。白湯をいれて麴と混ぜ、3時間ほどおきます(白湯の分量は麴の感想具合で異なりますので、加減してください)。
  4. 3に塩を入れ、均一になるよう混ぜておきます。
  5. 2を再加熱し、50℃くらいに温まったら潰しやすくなります。ボウルに移して、まんべんなく潰します(江戸時代にはないけれど、マッシャーなど用いると便利です)。
  6. 4と5を丁寧に混ぜ合わせ、ぎゅっと玉状に握ります。仮にぼそぼそで握れない時は、様子を見ながら(分量外)白湯を少しだけ足してください。味噌玉をいくつも作ったら、清潔な容器に詰めていき、ぎゅうぎゅう押し込んで空気を抜き、ラップなどで上部を覆います。
  7. 電気こたつなどを利用して50℃ほど保ち、成熟させます。様子を見ながら目安は十日ほどです。
    『花だより みをつくし料理帖 特別巻』 髙田郁 著 巻末付録 澪の料理帖 より

 

日持ちがしないです。冷蔵庫に保管で早くに食べきってください。

 

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