昔は母が幼稚園や小学校の入園などには必ず着物に黒羽織を羽織っていました。
その思い出があるせいか、黒羽織を自分も羽織ってみたくてたまりません。
先日、呉服屋さんで、”着物の健康診断” というものがあったのでそこで色々教わってきました。
黒羽織とはどんなもの?
黒の紋付羽織や黒の絵羽羽織は、昭和50年代までの時代の既婚女性が必ずといってよいほど誂えていました。
嫁入りに一緒に持参したものです。
自分の子どもの学校の入学式・卒業式で、母親達がみんな着ていたのがこの黒羽織です。
その後のめっきり着ていらっしゃる方は減ってきました。
明治時代から昭和50年代までの既婚女性に広く活用されてきました。
黒羽織の特徴
- 背中側に紋を一個だけ染めた物
- 後ろ袖につけた三つ紋
- 絵羽織には紋を付けない物もあります。
小紋や紬などの普段着に使われる着物でもこれを羽織れば礼装となってしまうので、訪問着などが誂えない家庭では重宝されました。
昭和の時代では、入学式や卒業式などでは、黒羽織の柄をお母さん達が洒落着として競い合って羽織られていたようです。
黒羽織は訪問着には羽織らない
今は訪問着や色無地などを卒業式などでは着られる方が多いので、黒羽織の方が減ってきてしまわれたようです。
ですが、卒業のシーズンでは、体育館などはとても寒いです。
黒羽織を羽織っていれば暖かく過ごせそうです。
※羽織は室内でも着ていても良いものなので、お正月の挨拶まわりなどでも重宝されていたようです。
※帯が隠れるので、帯が上手く結べない人にも重宝されていたようです。
普段着の着物は、紋の入ったの黒羽織を羽織れば準礼装になります。
黒羽織が着たいと言った時に呉服屋さんは・・・
母の大事にしていた黒羽織を着てみたいのですが、今はあまり見かけないのですが・・・。と控え目に言ってみたのですが、
「今は誰も着ていません。そんなものを着ていたら借りてきたものを着ているんだなと思われますよ」
と言われました。
一瞬、ムッとしました。
誰か私の担当を変えてーと思ってしまったくらいです。
着物診断士の先生も
「着ていませんね。着物には流行があるんです。誰も今は着ません」
ですって。
「・・・。」
そしてどうにか反撃してみました。
反撃できたのはこの方がいてくれたおかげです。
表紙でも横森美奈子さんは黒羽織着ています。
呉服屋さんの言いなりになっていてばかりではいけません。
私だってお客さんなんです。
ここで娘の振袖も買ったんです。
なのに、なんでこんなに強く言われなくてはいけないのーとちょっと悲しくなったのです。
ですが、黒羽織について学べたので感謝しなくてはいけませんね。
頑固な私に、着物診断士の先生は仕立ての重要さを話されました。
自分に合っているものでないと問題外だそうです。
羽織を着るのならサイズを自分に合わせましょう
今は、今は長めの丈の羽織が流行っているそうです。
- 黒羽織を羽織られるのなら膝が隠れる長さが必要になります。
- 袖丈も短いものはおかしいそうです。
羽織の丈・寸法は格好ものなので重要になってきます。
羽織の丈は身長の2分の1が基準になります。
- 普通の羽織で身長の2分の1プラス2~4センチ。
- 紋付羽織で身長の2分の1プラス4~6センチぐらいが目安です。
- 裄は着物の裄より0.5センチ(約1分)長くします。
- 袖丈は着物の袖丈から1~2センチ(約2分~4分)短いです。
羽織丈は年齢や体型、好み、材質、流行などにより多少加減するようです。
羽織のデザインや価値ではなく、一番大事なのは、自分に合う仕立てにすることです。
そこは、呉服屋さんの力を借りるのが一番の近道です。
娘の大学の卒業式に黒羽織を羽織ってみたいなぁ~とほんのり想っている私です。
残念ですが、母の羽織では少し短いようです。
自分に合うサイズのものに出会いたいです。
ですが堂々と胸を張って卒業式に望めるのかどうかが一番の問題ですね。
黒羽織が着たい!流行はいつのまとめ
黒羽織を着てみたいですが、自分の手持ちの着物や帯では、ファッションコーディメーターの横森美奈子さんのようにお洒落に決まらいようです。
昔購入して高価だったものに執着をして、それが今の自分の年代に合わないものになっているからおかしいのでしょう。
着物を、値段や質で考えずに安いものでも自分に似合うのか?という観点で着物を選んでみたいと思います。
横森さんは50歳を過ぎてから着物に興味を持たれたようです。
私も一度、先入観を捨てたほうが良さそうと、著書を本で感じました。
黒羽織を格好良く羽織っていく日がくれば素敵です。
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