五節句(ごせっく)とは、日本の暮らしの中で受け継がれてきた、季節の節目を大切にする伝統行事です。
しかし、「名前は知っているけれど意味や由来はよく分からない」「なぜその行事食を食べるのか知らない」という方も多いのではないでしょうか。
実は五節句は、もともと旧暦(太陰太陽暦)を基準に行われてきました。
そのため現在の新暦で祝うと、桃の節句なのに桃の花が咲いていない、菊の節句なのに菊が見頃ではないといった、季節感のズレを感じることがあります。
そこでこの記事では、五節句と旧暦の関係に注目し、
五節句の意味・由来・行事食を一覧で整理しながら、
2026年の旧暦に基づく節句の日付と季節の目安をわかりやすくまとめました。
「五節句をきちんと理解したい」「本来の季節感を大切に行事を楽しみたい」
そんな方に向けて、知識としても実用としても役立つ保存版のまとめ記事としてお届けします。
📅 五節句はなぜ「旧暦」だとしっくりくるの?
五節句は、季節の節目に自然の力を借りて邪気を払い、無病息災や幸福を願う、日本の伝統行事です。
その特徴は、植物の開花や収穫の時期と深く結びついていることにあります。
たとえば、3月3日の「桃の節句」。
新暦ではまだ寒さが残る時期ですが、旧暦で見ると4月上旬ごろにあたり、ちょうど桃の花が咲き誇る季節です。
この時期なら、春の訪れを目でも肌でも感じながら節句を迎えることができます。
つまり、五節句を旧暦で祝うことで、行事と自然のリズムが自然に重なり合うのです。
現在の日本では新暦で祝うのが一般的ですが、
地域によっては「月遅れ(1か月遅れ)」で行事を行う風習も残っています。
七夕を8月7日に祝う地域が多いのも、その代表的な例です。
大切なのは、日付そのものよりも、誰かの健康や幸せを願う気持ち。
新暦・旧暦・月遅れのいずれであっても、
自分や家族の暮らしに合った形で祝うことが、現代における五節句の楽しみ方と言えるでしょう。
🌿 月遅れで祝う五節句|旧暦の季節感を大切にする知恵
五節句は本来、旧暦(太陰太陽暦)に基づいて行われてきました。
しかし、明治5年(1872年)の改暦により日本が新暦(グレゴリオ暦)を採用したことで、
行事の日付と実際の季節との間に約1か月のズレが生じるようになります。
このズレを調整し、本来の季節感を取り戻すために生まれたのが「月遅れ」の考え方です。
特に自然や農作物、植物の開花と深く関わる節句では、
今もなお月遅れで祝う地域が多く見られます。
📅 月遅れで祝われる主な節句とその理由
| 節句の名前 | 新暦の日付 | 月遅れの日付(目安) | 主な地域 | 月遅れで祝う理由 |
|---|---|---|---|---|
| 端午の節句(こどもの日) | 5月5日 | 6月5日頃 | 長野県、飛騨地方など | 旧暦5月(午の月)に合わせ、菖蒲の香りで邪気を払う風習が梅雨時期と調和するため |
| 七夕(たなばた) | 7月7日 | 8月7日頃 | 全国各地(例:仙台七夕) | 旧暦7月7日は梅雨明け後で星が見えやすく、星祭りにふさわしい季節だったため |
🏮 その他の節句と月遅れの傾向
-
上巳の節句(桃の節句)
3月3日 → 月遅れ:4月3日頃(地域差あり)
→ 桃の花が咲く時期に合わせ、月遅れで祝う地域もあります。 -
人日の節句(七草の節句)
1月7日
→ 月遅れの風習は少ないものの、旧暦で祝う地域が一部に存在します。 -
重陽の節句(菊の節句)
9月9日 → 月遅れ:10月9日頃
→ 菊の開花時期に合わせて祝われ、「後(のち)の雛」として行われる地域もあります。
🧭 「月遅れ」という文化が生まれた背景
旧暦から新暦への改暦により、
季節と行事のタイミングにズレが生じたことで、
人々は「本来の季節に合わせて祝いたい」と考えるようになりました。
こうして生まれた月遅れの風習は、
地域ごとの気候や農作物の旬に寄り添った、暮らしの知恵でもあります。
現代においても、自然とのつながりを大切にする地域では、
その文化が大切に受け継がれています。
※日付は2026年のカレンダーに基づいています。
※月遅れの風習には地域差があり、特に七夕(8月7日)や重陽(10月9日)は現在も多くの地域で行われています。
※2026年は「うるう月」の影響がないため、旧暦と季節のズレが比較的少ない年です。
🌸 五節句をひとつずつ、ていねいにご紹介
🥬 1月7日|人日の節句(じんじつのせっく)〜七草の節句〜
中国では、元日から順に動物を占い、7日目を「人の日」として特別に大切にしてきました。
この日は、人を罰することを避け、健康と平穏を願う日とされていたのです。
日本ではこれが「七草の節句」となり、春の七草を入れたお粥を食べる風習が生まれました。
- 行事食: 七草粥(セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロ)
- 意 味: お正月のごちそうで疲れた胃腸をいたわり、青菜の栄養で無病息災を願います。
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🎎 3月3日|上巳の節句(じょうみのせっく)〜桃の節句〜
もともとは、人形(ひとがた)に自分の穢れを移して川に流す「流しびな」の風習がありました。 それが時代とともに変化し、現在のようにひな人形を飾って女の子の成長を祝う行事になったのです。
- 行事食: ちらし寿司、はまぐりの潮汁、桜餅、白酒
- 意 味: 災厄を人形に託して払い、女の子の健やかな成長と幸せを願います。
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🎏 5月5日|端午の節句(たんごのせっく)〜菖蒲の節句〜
古代中国では、強い香りのある植物で邪気を払うという考えがあり、 日本では「菖蒲(しょうぶ)」がその役割を担ってきました。
武士の時代になると、「菖蒲」と「尚武(武を尊ぶ)」の音が重なることから、
男の子の成長と強さを願う行事として定着しました。
- 行事食: 柏餅、ちまき
- 意 味: 兜や鯉のぼりを飾り、男の子がたくましく育つよう祈ります。
👉端午の節句の行事食とは?ちまきの具や人気レシピを紹介します! | Re:home Life
🌌 7月7日|七夕の節句(たなばたのせっく)〜笹竹の節句〜
織姫と彦星が年に一度だけ天の川を渡って出会える―― そんなロマンチックな伝説に、日本古来の「棚機(たなばた)」という行事が結びつき、 願いごとを短冊に書いて笹に飾る風習が生まれました。
- 行事食: そうめん
- 意 味: 芸事の上達や願いの成就を祈ります。
そうめんの細さは、天の川を表しているとも言われています。
👉 七夕の行事食とは?そうめん以外の料理を紹介! | Re:home Life
🌼 9月9日|重陽の節句(ちょうようのせっく)〜菊の節句〜
「9」は陽の数字の中でも最大。 その「9」が重なるこの日は、最も強い陽の気が満ちる日とされ、 逆にその強さを鎮めるために、菊の花の力で邪気を払うという風習が生まれました。
- 行事食: 菊酒、栗ご飯、なす料理
- 意 味: 菊の香りで邪気を払い、不老長寿を願います。
「くんち(九日)になすを食べると中風にならない」という言い伝えも残っています。
👉重陽の節句の行事食とは?食べ物とお菓子の料理を紹介! | Re:home Life
❓ 五節句と旧暦に関するよくある質問(FAQ)
Q1. 五節句とは何ですか?
A. 五節句(ごせっく)とは、日本で古くから大切にされてきた季節の節目の行事です。
人日の節句(1月7日)、上巳の節句(3月3日)、端午の節句(5月5日)、七夕の節句(7月7日)、重陽の節句(9月9日)の五つを指し、無病息災や幸福を願う意味が込められています。
Q2. 五節句はなぜ旧暦と関係があるのですか?
A. 五節句は、もともと旧暦(太陰太陽暦)を基準に行われていた行事だからです。
旧暦は月の満ち欠けや季節の移ろいを反映しているため、植物の開花や収穫時期と節句が自然に重なります。
新暦で祝うと、季節感にズレを感じることがあるのはそのためです。
Q3. 旧暦で五節句を祝うと、何が違うのですか?
A. 旧暦で祝うと、行事と実際の季節がより一致します。
たとえば、桃の節句は桃の花が咲く頃に、重陽の節句は菊が見頃の時期に迎えることができ、五節句本来の意味や自然とのつながりを実感しやすくなります。
Q4. 「月遅れ」で五節句を祝うとはどういうことですか?
A. 月遅れとは、新暦の日付から約1か月遅らせて節句を祝う方法です。
明治時代の改暦によって生じた季節のズレを調整するために生まれた風習で、七夕を8月7日に祝う地域などが代表例です。
Q5. 五節句は必ず旧暦で祝わなければいけませんか?
A. いいえ、必ず旧暦で祝う必要はありません。
現在は新暦で祝うのが一般的で、大切なのは日付よりも「健康や幸せを願う気持ち」です。
旧暦や月遅れの考え方を知ったうえで、暮らしに合った形で祝うことが大切です。
Q6. 五節句の行事食にはどんな意味があるのですか?
A. 五節句の行事食は、邪気払い・無病息災・長寿などを願う意味が込められています。
七草粥やちらし寿司、柏餅、そうめん、栗ご飯など、それぞれの節句に季節の食材や縁起のよい食べ物が用いられています。
Q7. 五節句を暮らしに取り入れる簡単な方法はありますか?
A. 行事食を一品取り入れたり、季節の花を飾ったりするだけでも十分です。
大がかりなお祝いでなくても、節句の意味を知り、季節を感じる時間を持つことが五節句の本来の楽しみ方です。
🌿 まとめ|旧暦の視点で五節句を味わう
五節句は、本来、自然の移ろいとともに生まれた季節の行事です。
旧暦で見てみると、桃の花が咲く頃に桃の節句を迎え、
菊が咲く季節に重陽の節句を祝う——
行事と季節の風景がぴたりと重なり合う、その美しさに気づかされます。
現代の暮らしでは、新暦で祝うのが一般的です。
それでも、「五節句は旧暦が基準だった」という背景を知っているだけで、
それぞれの行事に込められた意味や、自然とのつながりを、より深く感じられるようになるでしょう。
2026年も、春夏秋冬の節目ごとに、
旬の食材や行事食を囲みながら、心と体を整え、健やかな日々を願う時間を大切にしてみませんか。
五節句は、忙しい日常の中で忘れがちな季節のリズムをそっと思い出させてくれる存在。
暮らしの中に無理なく取り入れながら、自分なりのかたちで味わっていきたいものですね。🌸🍵



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